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上水タンクライニング(水槽ライニング・地下防水・タンクライニング)とは

主にコンクリート製タンク(PCタンク・RCタンク等)の内面ライニング(防食・防水)として構造物を長期的に保護するために用いる工事です。
ライフライン確保の為に水道施設の耐震化が推進されるなかで、耐震化と同じ目的,水を確保する事と漏水を防ぐという点で内面ライニングは非常に重要な役割を果たします。防水防食材は伸びと強度のバランスが重要な要素になり、近年では地震被害による漏水事故防止の観点からエポキシ等の硬質塗膜から高強度型伸張性のポリウレア樹脂への注目が高まっています。

水道施設は極めて重要なライフライン

上下水施設で活躍する防食樹脂ライニング(地下ライニング・タンクライニング・水道工事)

震災等の非常時にも一定の吸水を確保するのが大きな責務です。

  • 水道施設のライニング施設
  • 配水池・送水ポンプ場・浄水池
  • 塩素注入設備・ろ過池・沈澱池
  • 高濃度浄水処理施設(オゾン処理)
  • 着水井 ・取水ぜき

飲料水・上水施設タンクライニング・防食工事(地下ライニング・タンクライニング・水道工事)

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下水道のタンクライニングとは

下水道コンクリート構造物の機能を維持しその対応年数を可能な限り長く保持する事を目的に、主に処理場・ポンプ場における硫化水素に起因するコンクリートの腐食対策に用います。下水道施設のコンクリート構造物は汚水から発生する硫化水素にてコンクリート劣化が著しく進みます。よって構造物に直接硫化水素を接触させないことが重要な要素になります。
構造物の保護方法としては、ポリウレア樹脂・ビニールエステル樹脂・エポキシ樹脂などを用い、下水道事業団の指針に沿った方法で施工致します。

下水道施設で防食工事が必要な部位

下水道施設の防食ライニング施設
下水施設タンクライニング・防食工事(地下ライニング・タンクライニング・水道工事)
沈砂池・ポンプ棟

着水井・沈砂池・スクリーン・ポンプ井・ポンプ吐出井

水処理施設

分配槽・導水きょ・最初沈澱池・反応タンク・反応タンク・前曝気槽・最後沈澱池

汚泥処理施設

汚泥濃縮槽・汚泥消化槽・汚泥貯留槽・脱水汚泥ピット など

≪下水施設で必要な防食ライニング図≫

下水施設で必要な防食ライニング図(地下ライニング・タンクライニング・水道工事)

下水道事業団の水槽ライニング基準

日本下水道事業団コンクリート腐食対策における技術指針
工法規格の選定表
腐食環境 工法規格
Ⅰ2類 D2種
Ⅰ1類、Ⅱ2類 D1種
Ⅱ1類、Ⅲ2類 C種
Ⅲ1類 B種
Ⅳ類 A種
ライニング下地の必要強度など 仕様基準値
劣化部除去工 超高圧洗浄(ウォータージェット)200Mpa以上/中性化部除去
コンクリート含水率 高周波容量式水分計H-500又はHI-520(ケット化学研究所) 5%以下
躯体表面強度 平均値1.5N/㎜2以上 最小値1.2N/㎜2以上 「1箇所(500㎡)に3個設置測定」
素地調整材引っ張り強度 平均値1.5N/㎜2以上 最小値1.2N/㎜2以上 「1箇所(500㎡)に3個設置測定」
躯体の中性化 フェノールフタレイン法にて測定
ピンホール試験 通電性表示器  高周波電動方式2.5MHZ
ライニング材の引っ張り強度 平均値1.5N/㎜2以上 最小値1.2N/㎜2以上 「1箇所(500㎡)に3個設置測定」

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上水施設と下水施設のタンクライニングの実際の施工例

劣化部の除去工事
ウォータージェットでの劣化部除去の施工
ウォータージェット工法200Mpaでの劣化部・中性化部の除去
素地調整工事
樹脂モルタルでの素地調整工事
樹脂モルタルや耐酸性モルタルで必要に応じて断面修復を行います
防食ライニングの施工
各種防食ライニングの施工(ポリウレア・エポキシ・FRP)など
各種防食ライニングの施工(上記写真はポリウレアの施工)
防食ライニングの施工完了

各種防食ライニングの完了(ポリウレア・エポキシ・FRP)など

ポリウレア防食ライニングの完了

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上水施設と下水施設のタンクライニングの検査例

下水道施設  劣化部除去後フェノールフタレイン溶液で中性化試験
劣化部除去後フェノールフタレイン溶液で中性化試験(下水道施設のみ)
建研式引っ張り試験機を使用し躯体強度1.2N㎡以上か確認を行う
建研式引っ張り試験機を使用し躯体強度1.2N㎡以上か確認を行う
水分計を用い下地水分量の確認を行う
水分計を用い下地水分量の確認を行う
8パーセント以下(上水)
5パーセント以下(下水)
ライニング施工後も同様建研式引っ張り試験機を使用し付着力強度1.2N㎡以上か確認する
ライニング施工後も同様建研式
引っ張り試験機を使用し付着力強度1.2N㎡以上か確認するJIS平板ブロックを用い代用する事も出来る
ピンホール試験機を使って試験を行う(下水道施設のみ)塗膜厚の確認も行う
ピンホール試験機を使って試験を行う(下水道施設のみ)塗膜厚の確認も行う

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実際の施工はどんな種類があるの? 上水施設ライニング 下水施設ライニング

  • 超速硬化型スプレーライニング(ウレタン・ポリウレア系)

    超速硬化型スプレーライニング(ウレタン・ポリウレア系)
    ポリウレア樹脂とは
    JWWA K 143:2004

    超速硬化ウレタン・ポリウレア樹脂とは無溶剤、無触媒で可塑剤も含まない環境に優しく、スプレーガンにて瞬時に皮膜を均一に施工し耐薬品性、耐熱性、接着性ひび割れ追従性、耐磨耗性、防水性に大変優れた強靭な防水材になります。

    専用マシンを用い材料を加温し衝突混合
    ガンにより吹き付けによる施工を行います
    硬化時間は約3分程度

    利点
    流水摩擦係数が低く少ない水嵩で多くの水を流すことが可能。 気温に左右されず、短時間大面積施工が可能。 高強度型伸張性の塗膜特性を生かし、構造物の挙動に強い。
  • エポキシ系ライニング

    エポキシ系ライニング
    エポキシ樹脂
    JWWA K 143:2004

    エポキシ樹脂は、優れた接着性、硬化時の体積収縮が少ない、強度と強靱性に優れ、優れた電気特性、耐溶剤性その他の薬品に対して優秀な耐性を有すること、硬化中に放出される揮発分がないこと、が主な特性です。

    利点
    工法によるが、安価に施工が可能。
  • 強化プラスチック型ライニング(FRP・ビニールエステル系)

    強化プラスチック型ライニング(FRP・ビニールエステル系)
    ポリエステル樹脂・ビーニールエステル樹脂
    JWWA K 143:2004

    ポリエステル樹脂・ビーニールエステル樹脂は耐候性・耐久性に優れている他、耐熱性、耐薬品性などにも優れ軽量かつ高強度な性質を持っています。ビニールエステル樹脂は「ポリエステル樹脂に比べ、主に耐食用FRP製品、ライニングに使用されています。

    利点
    表面強度、剛性が強く長期耐久性が高い。
  • モルタル保護工法

    モルタル保護工法
    JWWA K 143:2004

    モルタル系補修工法は、ポリマーセメントモルタル・繊維強化モルタル等を用い既設コンクリートと最も近い素材で補修する施工工法です。特徴としては、施工時に湿潤下地での施工が可能で、繊維や混和剤を混入することで強度や樹脂特性を替え、施工性、長期耐久性を持たせた工法になります。

    利点
    多少の湿潤面での施工が可能。

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超速硬化型スプレーライニング(ポリウレア系)

ポリウレア樹脂を使った上下水タンクライニングの特徴

ポリウレア樹脂を使用した防食ライニング工事(地下防水・地下防食工事)
ポリウレア樹脂を使用した防食ライニング工事
≪機械施工と優れた塗膜品質≫優れた伸びと強靭な引張強度を同時に実現

自動計量・圧送機と混合吹付け装置(スプレーガン)を用い、材料を定量的に施工面へ圧送し、スプレーガンにて瞬時に皮膜を均一に施工し耐薬品性、耐熱性、接着性、ひび割れ追従性、耐磨耗性、防水性に大変優れた強靭な防水材になります。
樹脂は、耐薬品性に優れ、耐酸性・耐アルカリ性・耐塩素性・耐温水性優れ、200%以上の伸張率と18N/㎜2以上の強靭な引張強度との相乗効果でひび割れへの追従性を発揮します。高密度樹脂であるために、押し抜き試験に対する抗張力以外に塩化物イオンや炭酸ガス透過抵抗性も極めて高く躯体の劣化を抑制し80℃の加熱処理および-50℃の環境下において物性低下することはありません。

≪下地との高い接着強度≫

エポキシ系素地調整プライマー材を用いることにより、下地との強い接着性能と長期付着耐久性能を誇ります。
下地材との接着性が非常に高く、シート防水工法のようにコンクリートと防水層の間に水が横走りする事が非常に少なくなります。

≪シームレスな防水層≫

スプレー吹付け施工のため、、様々な形状に対して均一な厚さの被覆層が形成され、さらに狭い箇所への施工も可能です。
突起物や出・入隅等、複雑な部位にも連続した継目のない防水膜が形成できます。天井面の施工においてもポリウレア樹脂は、スプレー後15秒程でゲル化するため、連続的に天井面、壁面にもダレを発生させずに1㎜以上の厚付け施工が可能です

≪安定した施工品質と工期短縮≫

特殊機械システムによるスプレー吹付け施工で、機械によって温度コントロールするため、夏の猛暑や厳寒の冬でも施工が可能で、一年を通じて安定した物性を持った防水層が形成できます。、数十秒で硬化するために、天候の影響をほとんど受けません。
又、ポリウレア樹脂スプレーは、機械圧送によるスプレー施工により、飛躍的な施工性向上が図れます。スプレーにより被覆された塗膜は、20~30秒で指触が可能、約3分後には歩行可能な超速硬化材料のため、工期のない現場や、大面積の施工もお任せください。

≪安全な環境対応製品≫

超速硬化スプレーウレタンは、完全な無溶剤製品ですので、溶剤の揮発による臭気もなく、環境にも優しい製品です。
ポリウレア樹脂は、無溶剤、無触媒で可塑剤も含まない環境に優しい材料で、JWWA規定合格により飲料用ライニング材としても安全な製品です。
ライニング層からの溶出もなく水質に影響を与えません。

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ポリウレア樹脂の技術資料・試験値

ポリウレア樹脂を使用した防食ライニング工事 レジテクトBT-JW工法の物性

ポリウレア樹脂を使用した防食ライニング工事(用水路のポリウレアライニング写真)

ポリウレア樹脂を使用した防食ライニング工事 レジテクトBT-JW工法の物性

ポリウレアを使用した防食ライニング工事 レジテクトBT-JW工法の物性

ポリウレア樹脂を使用した防食ライニング工事 (用水路のポリウレアライニング写真)